第87回選抜高校野球大会では、21世紀枠で松山東高校が出場している。創立130年にもなる愛媛県立高校で、あの夏目漱石が教鞭をとった学校であり、大江健三郎や正岡子規などを排出した高校である。さらに、東大や京大に毎年合格しているかなりの進学校でもある。
その松山東が1回戦を勝ち抜いた。見事な勝利だった。
久しぶりに高校野球で応援したくなる学校だったので、最後までハラハラドキドキの連続。これぞ高校野球と思った。彼らは野球特待生ではなく普通の県立高校生であり、文武両道を実践しているところがすごい。
学校の名前を売るために、甲子園出場は絶大な効果があるため、全国の優秀な球児たちはスカウトされて私学の有力校に集まることが多い。そして、優秀な指導者の下で心技体を磨き甲子園やプロを目指して努力することは日本の野球のレベルを上げているのは事実。
しかし、高校は勉強第一で、野球はあくまでも高校での部活動であり、甲子園大会はその延長上にある。今回の松山東の勝利はそのことを改めて思い出させてくれた。藤浪や大谷のようなスーパースターのいる甲子園も良いが、普通の高校生が溌剌と活躍する姿はもっと良い。
そういえば、我が母校県立兵庫高校は1966年(昭和41年)に選抜に出場している。もう50年か、ぼちぼち・・・と思ってしまうが、兵庫県は私学が強すぎるなあ・・・